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トド松「えっ…!?」

 

あつし君がボクの手を引いた。

引かれた手をそのまま、路地裏の壁に押し付けられる。

彼の顔はボクのすぐ真横だ。唇が耳朶に触れそうなくらい近い。

 

あつし「ごめん、すぐ離すから」

吐息が耳をくすぐる。

​彼の前髪がボクの肌に触れ、その感覚に肩がビクリと揺れた。

トド松「んっ………ッ」

あつし「今日はありがとう。……次は松野から誘って?」

 

甘い囁きが鼓膜を震わせる。

あつし「はいはい」

クスクスと笑われる。身体の緊張はさっきより解けていた。

 

トド松「あつし君の身体……あったかいね」

あつし「……そう?」

トド松「うん、ちょっと怖くなくなったかも……」

 

あつし「………それは、よかった」

トド松「ボクらと違う匂いだね……」

あつし「匂いって?」

トド松「なんかお金持ってそう」

あつし「それ、どんな匂い?」

(なんだか、あつし君って感じでほっとする……)

トド松「ねぇ、ボクが眠くなるような話してよ」

ボクはカフェでアルバイトを始めた。

想像以上にカフェでの仕事は大変で、やっと慣れてきたところだ。

 

トド松「いらっしゃいませ〜……あっ…!?」

 

新しいお客さまは、ボクの知っている人だった。

ヒラヒラと彼がボクに手をふる。

黒いワイシャツに黄色のネクタイ。ボクの友人のあつし君だ。

 

トド松「あつし君!?ちょっ、なんで……」

 

あつし「お疲れさま、近くまで来たから」

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